『SCRAPPER/スクラッパー』パステルカラーの日常映す場面写真
そして、ジョージーの前に突如現れる行方知れずだった父親・ジェイソン(ハリス・ディキンソン)。2人が別々に過ごした年月を埋めるように、不器用ながらも距離を縮めていく様子が、ぎこちなくも愛おしい場面写真となっている。
「パステルカラーの『キッチンシンク』があってもいい」
さらに今回、イギリス在住の作家で、母の視点で中学生の息子の日常をつづったエッセイ「ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー」でイギリスの差別や貧困などの社会問題をユーモアを交えながら鮮やかに描写し、書店員が投票して選出する「第2回 Yahoo!ニュース│本屋大賞ノンフィクション本大賞」を受賞したブレイディみかこが本作に寄せたコメントも到着。
ブレイディさんは、「この映画は何かに中指を立てている、いやもっと上品な言葉で言えば、定説に意義を唱えた作品ではないか」という。「『キッチンシンク』と呼ばれるタイプの英国の映画やドラマを見ている人々なら、『SCRAPPER/スクラッパー』はそのジャンルのイメージをひっくり返すものであることがわかる」と、イギリスの労働者階級のタフな日常や貧困を赤裸々に描く「キッチンシンク」とは一線を画する、ポップさや温かさを持つ作品だと熱弁。