伝説の女性監督の真髄に迫る「シャンタル・アケルマン映画祭」公私共に支えた編集者の来日も決定
実験的な作品からミュージカル、文芸作まで、約半世紀にわたるアケルマンのキャリアに多面的に触れることができる絶好の機会となる。
<ドキュメンタリー三部作>ほか『囚われの女』『オルメイヤーの阿房宮』、遺作の『ノー・ホーム・ムーヴィー』の編集も手掛け、30年以上も公私共にアケルマンと親交があったクレール・アテルトンも初来日決定。全5回のトークイベントにも登壇する。
◆本映画祭で初上映作品『ホテル・モンタレー』(1972)
エドワード・ホッパーの絵画を彷彿とさせるフレームで描き出される、ニューヨークのとあるホテルの内部。ロビーから寝室、時々姿を現す住人たち、思わず暗闇に目を凝らしたくなる無限に続く長い廊下、そして外へ…。
アケルマン監督と盟友のキャメラマン、バーベット・マンゴルトの魔法によって、街中にたたずむ安ホテルも非現実的な、ぞっとするほどの美が目配せする舞台へと変貌していく。
『南』(1999)
作家ウィリアム・フォークナーとジェームズ・ボールドウィンにインスパイアされ、アメリカ南部での映画製作を計画していたアケルマン。しかし撮影の数日前、テキサス州ジャスパーでアフリカ系アメリカ人のジェームズ・バード・ジュニアが白人至上主義者たちによって壮絶なリンチの果てに殺害される事件が起こる。