「私の映画と通じるところも」宮崎駿監督からの影響明かす『Shirley』ジョセフィン・デッカー監督
と言い、「照明は360度照らしていたので、カメラも役者も自由に動き回れるようにしておいたんです。役者と一緒にいろいろ探っていた」と苦労を明かす。
本作でモデルとなったのは、個々が集団になった途端に思考能力が失われ、暴走していく“集団心理”の恐ろしさを描いた短編傑作「くじ」の作者としても有名なシャーリイ・ジャクスン。「くじ」について、「今でも、本当に皆さん共感できる作品だと思う」と監督は述懐。
「『くじ』では、女性が破壊されていく訳ですが、それはアメリカの南部で実際に起こっていること」と話し、「そこでは法律が、女性の中絶を否定しています。ですが、ごく僅かなクレイジーな人々が『中絶しても意味がない』と思っていて。でも世の中には子どもをちゃんと育てられない女性もいるわけです」とも、個々の声が潰されることで、集団によって起こされる悪夢についても懸念を露わにする。
また、長編第4作目となった本作にはエグゼクティブ・プロデューサーとしてマーティン・スコセッシが名を連ねている。「私の一番最初の映画を見て、すごく気に入ってくれて。『何か機会があれば、エグゼクティブプロデューサーになってもいいよ』って言ってくれてたんです」