『夏の終わりに願うこと』『サマーウォーズ』『リメンバー・ミー』ほか、家族の絆と脆さを描く傑作5選
異母姉妹の登場にそれぞれの感情は波打ち、ときに不協和音を奏でるが、徐々に互いに歩み寄っていく姿は観る者の胸を打つ。是枝裕和監督の描く家族のありのままの姿は、『夏の終わりに願うこと』のまるでドキュメンタリーのような映像にも重なって見えるはず。
『海街Diary』はAmazon Prime Video、Netflix、U-NEXTほかにて配信中。
たかが世界の終わり(2017/グザヴィエ・ドラン監督)
グザヴィエ・ドラン監督が、劇作家ジャン=リュック・ラガルスの舞台劇「まさに世界の終わり」を原作に、自分の死期が近いことを伝えるため12年ぶりに帰郷した若手作家の苦悩と家族の葛藤や愛を描く。
若手作家のルイは病で自分がもうすぐ死ぬことを知らせるため、長らく疎遠にしていた母や兄夫婦、妹が暮らす故郷へ帰ってくる。しかし家族と他愛のない会話を交わすうちに、告白するタイミングを失ってしまい…。
浮足立つ母や妹、反対にそっけない態度の兄…絶妙な関係性のバランスが、食卓を囲むうちに崩れていく。死と隣り合わせの状況で、ぶつかり合いながらも“愛とは”、その答えに向かっていくそれぞれの心の機微が描かれるさまは『夏の終わりに願うこと』の主人公の父・トナの胸中を思わせる。