2020年4月10日 10:00
ソロシネマ宅配便 第4回 令和2年、あえて前田敦子主演『もしドラ』を観てみる
を読んだら』(以下『もしドラ』)である。言わずと知れた岩崎夏海氏が書く2010年頃の大ベストセラーで、漫画やアニメに、田中誠監督で映画化もされた。
怒涛のメディアミックス展開だったので、もちろんそのタイトルは聞いたことがある。あの女子高生がよく晴れた空の真下こちらを見つめる表紙のビジュアルも覚えている。この本をきっかけにメディアにピーター・ドラッカーのブームが巻き起こったのも記憶にある。まだ世の中にスマホはそこまで普及していなかったが、電車内広告が大展開されていたのだ。
ただし、だ。正直に書くと、本を読んだこともなければ、映画も結局スルーしてしまった。
俺は当時ピーター・ドラッカーよりも、エドガー・ゴンザレスの方に興味があった。エドガーの二塁守備は下手でさあ……じゃなくて、当時は世の中の流行りを追う時間と心の余裕はなかった。
ならば、今こそちゃんと向き合ってみよう。2020年にあえて3回りくらいした映画『もしドラ』を見る。これほど不要不急な行為はない気もするが、いざコーラとプロ野球チップスをおともに家映画である。物語は女子高生の川島みなみが、病気の親友の代わりに都立程久保高校の弱小野球部マネージャーになることから始まる。