くらし情報『記憶の脳科学 (2) コンピュータ将棋はなぜ強くなったのか?』

2014年10月15日 11:00

記憶の脳科学 (2) コンピュータ将棋はなぜ強くなったのか?

コンピュータの計算性能が向上したから人間に勝てるようになった、と思うかもしれないが、それだけではない。1997年にコンピュータがチェスの人間のチャンピオンを上回ったが、チェスの複雑さが10の120乗であるのに対して将棋は10の220乗とかなり複雑。コンピュータの速度向上だけで人間に勝つことは無理であり、「ソフト面の進歩が非常に大きい」と佐藤さんは強調する。

○読みと大局観に相当するのが「探索」と「評価関数」

ではコンピュータは具体的にどのように将棋の指し手を決めているのだろうか。

通常、人間が将棋をする場合、「読み」と「大局観(形勢判断)」で指し手を決めていく。コンピュータの場合、「読み」にあたるのが「探索」、「大局観」にあたるのが「評価関数」だ。

コンピュータ将棋では、基本的に人間が考えないような手も含めてすべての手を探索する。一段ずつ探索を深めていくが、時間制限もあり終局までは探索できないので一定の深さで探索を打ち切る。
打ち切ったときの局面の優劣を、評価関数で点数化する。評価関数とは、局面の優劣をコンピュータが判断できるよう数値化するための関数であり、コンピュータはもっとも評価の高い(つまり数値の高い)

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