くらし情報『記憶の脳科学 (2) コンピュータ将棋はなぜ強くなったのか?』

2014年10月15日 11:00

記憶の脳科学 (2) コンピュータ将棋はなぜ強くなったのか?

現在のコンピュータ将棋はミスの少なさ、読みの深さで人間を上回るが「そもそも現在の機械学習は人間の差し手の真似であり、人間の大局観に達しているとは言い難い。さらなる改良の余地が大きい」という。

改良点は色々あるが、たとえばどのような棋譜を学習すれば強いプログラムができるか、さらにどういった戦術を重視して学習すれば強いプログラムができるかという点がある。

戦術については穴熊、銀冠、矢倉などしっかりとした囲いを作る戦術が上位にあがっているそうだ。実際に重要度を使って学習させたプログラムと、使わずに単純に学習したプログラムで対局を行い戦術の違いを比較すると、重要度を使って学習した方が、コンピュータにとって勝ちやすい戦術を選択し、結果的にかなり強いことがわかった。

このように、コンピュータ将棋が人間に勝利するという目標が達成されようとしている今、コンピュータ将棋は大きな変換点を迎えているそうだ。

佐藤さんは「さらに強さを追い求める方向性と、人間との関わりを重視する方向性」という2つの方向性があると説明する。強さを求める方向性では、人間の棋譜によらず強いプログラムを学習できないか。
そして人間との関わりを求める方向性では、人間に将棋を教えたり、詰め将棋などの問題を作ったりすることも考えられるという。

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