2014年10月20日 07:00
電卓事業の歴史と今後の向かう先を探る - キヤノン、初の電卓「キヤノーラ130」の発売から50年の節目
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●初任給が1万円台の時代に39万5,000円で登場した高級製品としての電卓
キヤノンが1964年10月20日に同社初の電卓「キヤノーラ130」を発売してから、ちょうど50年目の節目を迎える。
世界初のテンキー式卓上電子計算機として登場したキヤノーラ130は、テンキーによるシンプルな操作と独自の光点式表示器により人気を博し、同社の電卓事業の礎となった。その後、業務用のプリンタ電卓やワイヤレス型のテンキー電卓、環境配慮型電卓、デザイン電卓など、さまざまな機能や仕様を搭載した電卓を次々と市場に投入してきた。この50年間にキヤノンが市場に送り込んだ電卓の累計出荷台数は約2億8,000万台にのぼるという。同社の電卓事業への取り組みを追ってみた。
○レンズ設計における必要性と余剰人員の配置転換が電卓事業参入の理由
キヤノンが同社初の卓上電子計算機を発売したのは、1964年10月のことだ。当時、様々なメーカーが電卓市場への参入を図ろうとしていたが、キヤノンが電卓事業に参入するのには2つの理由があったという。
1つめは、カメラメーカーのキヤノンにとって、レンズの設計には膨大な計算が必要であり、計算機が必須となっていたことだ。