くらし情報『電卓事業の歴史と今後の向かう先を探る - キヤノン、初の電卓「キヤノーラ130」の発売から50年の節目』

電卓事業の歴史と今後の向かう先を探る - キヤノン、初の電卓「キヤノーラ130」の発売から50年の節目

つまり、自らがユーザーの立場として計算機を利用する立場にあり、より使いやすい計算機の開発が求められていたのだ。

「当時は、レンズの設計者1人に計算担当の女性社員が2人配属され、レンズ設計を行っていた」と当時の様子を説明するのは、キヤノンマーケティングジャパン株式会社プリンティングソリューション企画本部プリンティングソリューション企画部パーソナルプロダクトマーケティング課の岡本良平氏。1970年代に生まれた岡本氏にとっては、当時の状況は信じられないものだという。

2つめの理由は、大勢の電気技術者が余剰人員になりつつあるというキヤノン特有の状況にあった。当時、キヤノンではシンクロリーダーと呼ぶ磁気録音再生装置を開発し、商品化していたが、この事業が失敗し、同事業を担当していた電気技術者が余剰人員になりつつあったのだ。

シンクロリーダーとは、紙の表に文字を印刷し、裏に磁気録音膜を付けることで、利用者は文字を読むことと、音声で聞くことを同時に行うことができる装置だった。キヤノンではこれらの技術者を、特機製作所の新規開発部門に集約。電卓の開発に振り向け、その結果が第1号電卓の「キヤノーラ130」

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