ブラジル中央銀行は29日の金融政策委員会で、政策金利の引き上げ(11.00%→11.25%)を決定しました。前回の利上げは今年4月初めで、今回は約7カ月ぶり(4会合ぶり)となります。
中央銀行は声明で、数ある要因の中でも特に、前回(9月初め)の金融政策委員会以降のブラジル・レアル安に伴ない、インフレ・リスクが高まったことを踏まえて、今回、政策金利を引き上げたとしています。同国では、消費者物価指数の伸びが目標圏の上限近くで高止まりしているほか、燃料や電力などの統制価格が来年にも引き上げられる可能性があることなどから、利上げは不可欠と考えられていました。ただし、この10月には大統領選挙があり、当選者の就任が来年1月となることなどから、利上げ実施のタイミングは政権の顔ぶれや政策などが明らかになる2015年に入ってからとの見方が有力でした。
このように、今回は予想外のタイミングでの利上げとなりましたが、中央銀行は、小幅な利上げを早目に実施することで、景気等への負担を抑えながら、インフレ抑制を狙っているとみられます。また、通貨下落やインフレに立ち向かう姿勢をこのタイミングで示すことにより、市場からの信頼の回復を狙った面もあると考えられます。