くらし情報『読む鉄道、観る鉄道 (63) 『月館の殺人』 - 厳寒の北海道を行く豪華列車で事件発生!』

2014年11月3日 08:00

読む鉄道、観る鉄道 (63) 『月館の殺人』 - 厳寒の北海道を行く豪華列車で事件発生!

実際にも1988年に日本でオリエント急行の客車を走らせるイベントがあり、物語ではその車両を再利用したという設定になっている。

「幻野」号は稚瀬布(ちせっぷ)駅20時40分発。月館駅7時0分着。途中で経由するルートはすべて架空である。実際の駅や路線ではないところで、鉄道ファンとしてはちょっと興ざめだ。しかし、後半で「幻野」号の秘密を知れば納得できる設定である。

月館に住む空海の祖父は鉄道趣味界の有名人という設定だ。その屋敷には鉄道ファン垂涎のコレクションがずらりと並ぶ。
玄関ホールには出所不明のゼロキロポスト、151系「こだま」パーラーカーの1人掛けシート、根室拓殖鉄道の気動車、寝台特急「ゆうづる」のヘッドマークなどなど。鉄道模型の部屋もうらやましい。しかし、これらを相続するかもしれない空海は、その価値がわかるだろうか? 生き残った人々に励まされて、やがて鉄子に成長するのか、後日談も読んでみたくなる。

※写真は本文とは関係ありません。

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