くらし情報『自閉症スペクトラム症の人は同じ症状の人に共感する - 京大が確認』

2014年11月11日 15:27

自閉症スペクトラム症の人は同じ症状の人に共感する - 京大が確認

電子版に掲載された。

今回の研究はASD特徴がある人物の行動パターン記述分(ASD文)と、定型発達(Typically developing:TD)の人物の行動パターン記述文(TD文)をASDの成人15名(平均26.7歳)と、年齢・知能指数を合わせたTDの成人15名(平均26.1歳)に読んでもらい、自分にも当てはまるか、主語となる人物が自分に似ているかを判断してもらい、その際の脳活動を調べるというもの。この結果、ASDの成人はASD特徴がある人物を判断する際に、自己の処理、共感に関わる腹内側前頭前野が有意に活動していることが確認され、自身と類似したASD人物に対して共感的な反応を示していることが判明した。

また、ASD人物を判断する場合、自閉症スペクトラム指数の得点が高いほど、腹内側前頭前野の活動が高くなることも確認され、ASDの傾向が高い人ほど、ASD人物に対して共感的に理解している可能性が示唆されたという。

この結果について研究グループは、従来、ASDのある人は共感性が乏しいと考えられてきたが、ASDがある人はASDの行動パターンをする他者に対して共感できることが示され、臨床場面への応用として、ASD傾向の強い人ほど、ASDがある人への援助者にふさわしいかもしれないという知見の提供につながることが期待されるとしており、今後はASDがある人の他者理解方略を解明し、支援に役立てていきたいとコメントしている。

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