実現率1%の邦画界にまつわる、映画監督と原作者の本音と諸事情 - 深川栄洋監督×原作・加納朋子
――今回は、見事に凧が揚がりましたね。
深川:揚がりましたね~。途中まで揚がるか揚がらないか心配だったんですけど (笑)。
加納:新人作家だと、そんな映画の話をいただくと本当に「やったー!」って舞い上がっちゃうんですよ。でも、年数重ねるうちに現実が見えてきて…(笑)。
――映画化するにあたって、条件は提示されましたか。
加納:特には出してないです。
――映画では主人公の職業がサラリーマンから落語家になったり、父親がより詳細に描かれていたりと原作とかなり違う部分がありますが、ここに関しては特に違和感はありませんでしたか。
加納:職に関しては、脚本段階で幻冬舎さんからお話があって、「どうぞどうぞ」という感じでした(笑)。
――別物の作品として捉えていらっしゃるということでしょうか。
加納:そうですね、映像に関してはまったくの素人ですので、関わっている方のご判断を信じようと思ったのと、あとは最初に原作を読んでくださったプロデューサーさんがすごく気に入ってくださっていたのが、編集さんをとおして伝わりましたので、それはとてもありがたかったです。愛ある方に作っていただくのが、作品としていちばん幸せなので、結果的にいちばん良い形で実現したなと。