ダイナミックティアリングは、「ホット(Hot)データとしてメモリ上にキープするが、頻度の低いデータは、ディスクのなかのデータベースにウォーム(Warm)データとして動的に退避していく仕組み」(大本)となる。
SP9では、このほかにもさまざま機能追加や機能改善が施された。大本氏は、HANAは、大きく4つのテーマに沿って開発が進められているとし、その4つが「クラウド対応」、「(情報系と基幹系を単一プラットフォームで扱う)アプリケーション基盤」「ビッグデータとIoT」「オープン性」だと説明。また、顧客のニーズは大きく3つに分けられるとし、その3つが、選択肢を拡張してビジネス要件に対応する「Accelerate」、まったく新しい価値を生み出す「Innovate」、合理化やTCO削減などの「Simplify」だと説明した。新機能の位置付けをこれらのマトリクスに便宜的に整理すると、たとえば、マルチテナントは、クラウド対応のうちのInnovateに分類され、ダイナミックティアリングはビッグデータとIoTのうちのSimplifyに分類されるという。
Accelerateについては、デプロイメントできる環境の拡張と、サポートハードウェアの拡充を挙げた。