2020年7月3日 12:00
ソロシネマ宅配便 第10回 岡田准一、規格外の身体能力とガチの戦闘力を発揮 - 『ザ・ファブル』
設定の殺し屋役なので、あまりゴツくなりすぎないようボディメイクをして撮影に臨んだという。見せる筋肉なんて自己満足の次元はとっくに卒業している。その昔、少年ジャンプ黄金時代の人気漫画『ろくでなしBLUES』の実写化で、主人公の前田太尊役にキックボクシング日本王者の前田憲作を起用したが、それに匹敵する説得力だ。
ノースタントでスパイダーマンのようにビルの壁をよじ登り、包丁を持った元レスラーの顔面に刹那の速さでヒザ蹴りを食らわせ、いっさいの無駄がない動きで蝶のように舞い、蜂のように刺す。その静かな流れるような身のこなしは、まるで400戦無敗のヒクソン・グレイシーの戦いぶりを彷彿とさせる。
まさに日本映画界最強の男……っていったいなんのコラムだかよく分からないが、それほど岡田准一のアクション俳優としてのポテンシャルは図抜けて高い。新・真田広之、令和のジャッキー・チェンというより、映画界のヒクソン・グレイシーである。
○■木村文乃「人って、こういう風に動けるんだ」
そんな『ザ・ファブル』をひとつの映像作品として見ると、敵側のキャラには一貫して違和感を感じてしまう弱点もある。
もちろん原作と映画は別物。