2014年12月8日 08:30
航空機とIT (27) ワークロードの低減(2)FMSとMPS
ちなみにこの手の機能は、平時でも役に立つ。騒音被害を減らすために人口密集地帯を避けて飛ぶ必要があれば、その人口密集地帯を「回避すべき危険地帯」として登録しておくわけだ。実際には地上からミサイルが飛んでくるわけではないから危険でもなんでもないのだが、避けて通らなければならないという点においては同じである。
○軍用機でも時間厳守(のこともある)
民航機であれば時刻表通りに飛行機を飛ばすことが重要になるが、軍用機でも時刻を守ることは重要になる場合がある。たとえば、複数の編隊が同時にひとつの目標を襲撃するような場面では、タイミングを合わせて目標地点に到達しなければならない。
その複数の編隊がそれぞれ異なる機種、異なる針路、異なる兵装を搭載していれば、飛行に際しての条件も異なるので、それぞれに合った形の飛行計画を立てる必要がある。それをいちいち手作業で計算して立案した上で、さらに経由地に関する情報を機体の航法装置に入力して、飛行中の速度も計画通りに手作業で維持する、なんていうことになればワークロードが大きい。コンピュータで計算できるところはコンピュータにやらせて、人間は人間でなければできない作業に専念するのが筋というものだ。