SEMICON Japan 2014 - 優れた企業は女性や障がい者などを率先して活用している
続いて、IBMフェローの浅川智恵子氏が登壇した。浅川氏は14歳のときに失明しており、視覚障がい者として障がい者のアクセシビリティ(情報へのアクセス手段)に関する先駆的な研究で数多くの業績を挙げてきた。講演タイトルは「スマートマシンが支援する未来」である。
浅川氏は「目が見えないことは研究においてアドバンテージ(優位)である」と断言し、「目が見えないことはディスアドバンテージ(不利)である」という見方を完全に否定していた。研究テーマである「障がい者のアクセシビリティ」では、自分が障がい者であることから、健常者には分かり難い事柄(障がい者はどのように感じるか)を簡単に理解できる。このことは、研究を進める速度の向上にとても大きく寄与する。
その一例が、Webページの読み上げソフトウェア「Home Page Reader」である。1997年に浅川氏が開発したこのソフトウェア製品は、現在では日本語やイタリア語、フランス語、ドイツ語、米語、英語などの11カ国語のバージョンが存在する。
そして現在では、人間の肩にとまった小鳥がささやくように、視覚障がい者の身近に存在して障がい者を支援する仕組み「コグニティブ・アシスタント」