精神力
そして最後に、強いメンタル面が羽生選手を支えたと見ている。
「全日本選手権は、3月の世界選手権などシーズン後半の大会の選考会も兼ねているため、独特の緊張感が漂っています。ただ、羽生選手は終始リラックスしているように見受けられました。もちろん、集中すべきところでは集中し、緊張感を高めていましたが、不安な気持ちなどは見えませんでした。むしろ、練習してきたことに自信を持ってこの大会に臨んでいるのかなと感じました」。
そんな"絶対王者"は、昨年12月30日に「尿膜管遺残症」の手術を受け、1カ月は安静が必要とされている。そのため、3月に中国・上海で開催される世界選手権への出場が微妙なところではある。
ただ、出場できれば2013-2014シーズン同様、全日本選手権とグランプリファイナル、世界選手権の「3冠」も現実味を帯びてくる。
羽生選手がどのような決断をくだすのか、ファンは要注目だろう。
○取材協力: 澤田亜紀(さわだ あき)
1988年10月7日、大阪府大阪市生まれ。関西大学文学部卒業。5歳でスケートを始め、ジュニアGP大会では、優勝1回を含め、6度表彰台に立った。また2004年の全日本選手権4位、2007年の四大陸選手権4位という成績を残している。2011年に現役を引退し、現在は母校・関西大学を拠点に、コーチとして活動している。
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