映画『新聞記者』で話題の藤井道人監督が選んだ、「1番難易度が高い」新作
前田プロデューサーからいくつかの候補の本をもらって、その中で1番難易度が高そうだなと思ったのがこの作品でした。
――どういうところが難易度が高いと思われたんでしょうか。
僕が14歳の少女だったことがないので、自分がこの作品を撮ったらどんなものになるだろうという、知的探求心から「やります」と言って、それから3~4年、ずっと脚本を書いていました。
――順番的には『新聞記者』よりも前にあった企画だったんですね。
『新聞記者』は2018年に、イレギュラーにオファーをもらった仕事で、『宇宙でいちばんあかるい屋根』は2018年に撮る予定だったんですけど、撮影が諸事情で延期になったことで『新聞記者』を先に撮ることになりました。
――そんなめぐり合わせがあったんですね。その順番と作風のギャップもあって、意外に思ったのかもしれません。
意外性という意味では、この作品の次が『ヤクザと家族 The Family』(2021年公開)なので、またぜんぜん違うんですけど(笑)。
でも自分の中では、職業として監督をやる以上、ひとつひとつが、時代に合うものであればいいなと。
――『宇宙でいちばんあかるい屋根』において、「時代に合う」