2015年2月13日 18:10
高効率エンジンの開発や航空機の低騒音化に挑む - JAXAと国内企業が2つの新プロジェクトをスタート
例えば国産旅客機「YS-11」の開発支援や、短距離離着陸実験機「飛鳥」の開発、そして後述する国産初のターボ・ファン・エンジン「FJR710」の開発などを手掛けたのはNALであった。2003年10月にJAXAに統合された後も、航空機技術の発展のために日夜力強く研究が続けられている。
JAXA航空本部では、大きく3つのプログラムを実施している。航空環境技術の研究開発を行う「ECAT(Environment-Conscious Aircraft Technology Program)」、航空安全技術の研究開発を行う「STAR(Safety Technology for Aviation and Disaster-Relief Program)」、そして航空新分野の創造を行う「Sky Frontier」だ。またそれら3つを支える形で、基礎的・基盤的技術の研究を行う「Science & Basic Tech」がある。
航空機産業は今後20年で2倍以上の成長が見込まれており、また部品点数が自動車の約100倍もあるため、産業構造の裾野が広いという特徴がある。日本は航空機分野では若干遅れをとっているが、今後シェアの拡大や、国際共同開発における主導権を獲得し、日本の航空機産業を発展させるためには、経済性、環境への適合性、安全性、そして長期的な視点に基づいた先端研究に力を入れることが重要とされる。