2015年2月13日 18:50
女の節目~人生の選択 (11) vol.11「初めての、デート」【18歳】
人類は男と女が約半数ずつのはずなのに、小中高12年間、我々は明らかに本来のバランスを欠いた状態にあった。カバンの中で片方に寄ってしまった弁当箱の中身をトントン叩いて元に戻すように、私はたくさん男友達を作った。すぐ隣に歳近い異性がいて、姿形も育った環境も私とはずいぶん違うけれど、話しかければ言葉が通じ、気が合えば親しくもなれる。そのことに静かに感動した。見知らぬ男子学生たちと円滑にコミュニケーションが取れると、外国人と気軽に交流する国際人にでもなった気分だった。
異文化接触には齟齬もつきものである。みるみる増えた異性の友達はほとんどが彼女持ちで、彼らの恋愛相談を聞いてやる代わりに私は、「そういうのやめたほうがいいよ、男はすぐ勘違いするからさぁ」といった教育的指導を受け、さまざまな身の処し方を学んだ。色気の有無にかかわらず、当時の私はあらゆる意味で無防備だった。
そうか、今後は男性と二人きりで何かを致すというシチュエーションも増えるのだな。と気づいてからが、また厄介だ。デートには、デートにふさわしい服装がある。あの日、先輩から二人きりで食事に誘われ、一昨日と同じジーンズを洗わずに穿いてきたのは、おそらく失策だったろう。