2015年2月13日 18:50
女の節目~人生の選択 (11) vol.11「初めての、デート」【18歳】
「お腹すいてないの。お食事しましょ」。こんなふうに間接的かつ直接的なメッセージを送れたら、どんなにいいか。
とはいえ、即座に文意を汲んで「やれやれ、物欲しげな女だ」とニヤニヤされるくらいなら、「空腹じゃないのに食事? ははは、君、おかしいねぇ」と一笑に付す男のほうが、よっぽど好もしい気もする。私自身そういうところがあるから、そう思う。「食事をするのが目的ではない食事をしましょう」。世の中にはそんな誘い文句があふれていて、しかし、気づかない人はまったく気づかない。「食事以外に目的があるのなら、最初からそう言っておいてくれよ!」と憤慨することだってある。
いや、私だが。
大学時代のある日、先輩にごはんをおごってもらった帰り道、「今夜のこれは、僕としてはデートのつもりなので、最後だけでも、手をつなごう」と言われた。この強引な物言いに不覚にもときめいて惚れてしまったのだが、同時に落ち込みもした。誕生日が近いからメシでもおごってやるよ、と言われて、わーいわーいと普段着でついてきて、ちょっといいレストランでたらふく食って、最寄駅に着いて別れる直前まで、私はそれをデートと認識していなかったのだ。ときめいて、落ち込んで、次におぼえたのは「だったら最初っからそう言ってくれればいいのに。