くらし情報『イラン、3年ぶりの人工衛星打ち上げ成功 - 謎多き宇宙開発と、その将来 (1) 国産衛星ファジルと、スカッド・ミサイルから生まれたサフィール・ロケット』

2015年2月18日 10:46

イラン、3年ぶりの人工衛星打ち上げ成功 - 謎多き宇宙開発と、その将来 (1) 国産衛星ファジルと、スカッド・ミサイルから生まれたサフィール・ロケット

その他にも、アリッジ・モーターにも細かな改良が加えられている様子が、公開されている写真から見て取れる。アリッジ・モーターというのは、第1段と第2段の確実な分離のためと、第2段の推進剤をタンクの底に押し付け、確実にエンジンへ供給できるようにするための、小さなロケット・モーターのことだ。

サフィールの開発にあたっては、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)や中国からの技術供与があったと言われており、シャハーブ3は北朝鮮のミサイル「ノドン」のイラン版とも見なされている。さらにその源流には、ソヴィエト連邦で開発されたR-17、いわゆる「スカッド」ミサイルがある。

結果的にはイランが北朝鮮よりも先に人工衛星を打ち上げることに成功したが、現在でもイランは、北朝鮮の銀河2(テポドン2)のような、大陸間弾道ミサイル(ICBM)に匹敵するロケットは開発できていないため、現代でもロケット技術に関しては北朝鮮に一日の長があると見て良いだろう。

ただ、イランは現在、「シームルグ」(Simorgh)と呼ばれる、より大型のロケットの開発を進めている。サフィールと比べると、第1段機体が格段に太くなっており、ロケットエンジンは4基を束ねる形で装着されている。

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