2015年2月26日 07:00
キャリアななめ斬り! (47) 日本人はなぜ人の失敗を叩くのか
ならば、とにかくすぐに「実行」するしかないはずだ。そうすれば早く戦略が正しかったか、正しくなかったかがわかる。
ところが、私自身の経験上、日本の組織には「実行」をいつまでたっても行わない「輩」がいる。すでに戦略レベルでの議論は出尽くしているにもかかわらず、「実行」の段階になって、また全ての議論をぶりかえし議論をしたがる「輩」だ。
なぜ、いつまでも「実行」をしないのか? なぜ、議論を続けたがるのか?
「実行」を行うと必ず成功か失敗かが判明する。そして、これまでの戦略の「正しい」「正しくない」が分かる。そのことが不都合なのだ。
あまりに多くの人たちを巻き込み、あまりに多くの時間を費やして、戦略の議論を繰り返してきた。
だからその結果が「正しくない」ことになると非常にマズイと考える「輩」は必ず組織に一定数いる。
すると何が起こるか。
いつまでも誰も「実行」を行わないことが組織にとっての「美徳」となる。
仮に「実行」の結果が失敗だった場合、戦略の良し悪しは別に、とりあえず「実行」の方法(または人)が悪かったとみなされる。その方が組織にとっては都合が良い。大勢で議論した「戦略」の良し悪しについては誰もが批判しにくい。