2015年2月27日 11:35
なぜベンチャー企業がGreen500で2位となるスパコンを開発できたのか? - 開発を担当したPEZYの齊藤社長が開発の内幕を披露
通常の診断用の3次元CT装置では512×512×512の3次元データの処理が限界で、1mm程度の解像度しか得られないが、PEZY-1を使うと局所では2K×2K×2Kのデータが処理でき、50μmの解像度が実現できる。また、ノイズ低減処理を組み込むことで、1/4のX線量で同等の品質の画像を得ることができ、被ばく量を減らすことができるという。
また、小型で消費電力も小さいことから、大手メーカーのポータブル超音波装置に採用されている。ポータブルで、電池駆動であるが、病院で使われるカートに載せて移動する大型の装置と同等の能力を持たせることができるという。
引き続いて開発を行ったのが、第2世代のPEZY-SCである。
PEZY-1は40nmプロセスで512コアであったが、PEZY-SCは28nmプロセスを使い1024コアを集積している。そしてクロックも533MHzから733MHzに引き上げ、倍精度浮動小数点演算でピーク1.5TFlopsとハイエンドGPUクラスの性能を実現している。
齊藤社長は、ベンチャー企業としては大規模なシステムを作ることは難しく、小規模なシステムで性能を追求するというアプローチを選択する以外に道は無かったという。