くらし情報『生き物に学ぶ、オドロキの「性」と「サバイバル術」(前編)』

生き物に学ぶ、オドロキの「性」と「サバイバル術」(前編)

生き物に学ぶ、オドロキの「性」と「サバイバル術」(前編)
○「性の不思議」ミジンコからヒトへ

ヒトは自分が「高度な生物」と思っているかもしれませんが、本当でしょうか? 体長わずか数mmのミジンコは通常メスだけの女性社会。ところが環境が悪化するとオスを生み、さらに生き抜くために「強い卵」を作ります。人間の「性の常識」が覆されると同時に、驚くべきサバイバル術を持っているのです。生き物から学ぶことは、たくさんあるのです!

そこで自然科学研究機構・基礎生物学研究所(愛知県岡崎市)に環境生物学の第一人者である井口泰泉(たいせん)教授をたずね、生き物の「性」や「サバイバル」について伺いました。2回に分けて紹介します。前半は「男は本当に必要?」。気になる「性」のお話しです!

○1. 「男って必要?」 - 女性上位のミジンコ社会

人間界には男と女が存在します。男と女がいなければ、子どもは生まれない…これ、生物界の常識と思っていませんか? ところがメスがメスだけを生む生き物がいるのです。


「ミジンコは通常、メスしかいません。アマゾネス(女性上位)なんです」と井口教授は笑います。ミジンコはエビや蟹の仲間の甲殻類で、川や湖沼、田圃にいる体長1~5ミリの小さな生き物です。

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