放医研、放射性セシウムを可視化する「特性X線カメラ」の開発に成功
放射線医学総合研究所(放医研)は1月23日、放射性セシウム(Cs-137およびCs-134)を可視化するカメラ「特性X線カメラ」の開発に成功したと発表した。
成果は、放医研 研究基盤センターの小林進悟研究員らの研究チームによるもの。研究の詳細な内容は、1月28日から30日まで開催される応用物理学会・放射線分科会並びに電気学会・原子力技術委員会で共催される研究会「放射線検出器とその応用」で発表される予定だ。
東京電力 福島第一原子力発電所(福島原発)の事故による放射性物質は福島県および周辺の地域に飛散し、現在でも除染が必要な状況が続いている。また、福島原発の原子炉廃止措置では放射性物質による汚染を厳重に管理し、作業を進める必要がある。
よって、除染作業や汚染管理において、放射性物質の存在を可視化できるカメラは、放射性セシウムの分布状況を把握するための有効な装置の1つと考えられている。これまでさまざまなメーカーや研究機関、大学などにおいて放射性物質を可視化するガンマカメラやコンプトンカメラといった装置の開発が進められ、一部販売もされてきた。
Cs-137やCs-134などの放射性セシウムはガンマ線を放出するが、ガンマカメラやコンプトンカメラは、そのガンマ線に感度がある半導体や「シンチレータ」