キャリアななめ斬り! (50) 「常識破り」をするのに必要な心得
良い面を挙げるならば、こうしたことを知っていればこそ、事前に様々な準備や工夫をすることができる。準備や工夫をしなければ、結果としてうまくことが進まなかったであろうことも多い。
一方、悪い面を挙げるとすると、よほど自分が強く意識しない限りは「常識破り」のことは思いつかなくなる。業界の慣習や常識に従うことの方が、破ることよりも基本は「楽」だ。慣習や常識というものは知らない時にこそ平気で破れる。知ってしまっているとほど、破るためにはエネルギーと覚悟が必要になる。
一例を挙げる。PRの世界ではごくごく一般的な常識として企業ネタの記者会見やプレスリリースは週末は行わない慣習がある。
その理由は必ずしも一つではない。絶対にダメというものでもない。従って一概に「常識」「慣習」とは言いきれないが、現にこうした傾向は強い。恐らく週末は掲載・放送されるメディアのニュース枠が少ないこと、土日は記者といえどもお休みをとるのであまり稼働してくれないことなどが理由としては考えられる。ところが、こうしたPR関係者の中では「常識」とされていることも、いったん業界を離れた視点で考えてみると、本当にこれが「常識」「慣習」