2015年3月23日 06:00
我々はユーザーのために立ち上がる - 冨田COOに聞くVivaldiブラウザ(前編)
●「昔はこんな感じだったな」というワクワク感
――冨田さんがOperaを離れ、Tetzchner氏とVivaldiを創業した背景を、差し支えない範囲で聞かせてください。
僕はOperaを離れてまだ1年ちょっとなので、2011年にJon(ヨン。Tetzchner氏のこと)がOperaを辞めてからは少し時間が空いているんですが、当時Jonが会社を辞めると言ったとき、一瞬「僕もやめるか」と思いました。他の経営陣と間では、人間関係としてはうまくいっていましたが、業績のためにトップライン(売上)とボトムライン(利益)の数字だけを見て予算や組織形態が決められていくような経営方針が強まり、僕も違和感を覚えるようになっていたんです。
ただ、当時はテレビ向けの組み込み事業を担当していて、家電メーカーにOperaを採用してもらうことで、Operaのテクノロジーがより多くの人の所へ広がっていけるという可能性は見いだしていました。また、Jonが会社を去り経営陣の中に創業当時の様子を知る人がほとんどいなくなっていたので、ここで僕までやめると、ブラウザでイノベーションを起こすという理念を継承する人が誰もいなくなってしまうと思い、そのときは会社の中にとどまってJonの思いを継いでいこうという気持ちでした。