くらし情報『人に聞けない相続の話 (6) 「法定相続分どおり平等に分けて円満」ってホント?』

人に聞けない相続の話 (6) 「法定相続分どおり平等に分けて円満」ってホント?

長男も次男の状況に理解を示したものの、自宅を2分の1に分ける事も出来ず、かといって長男から2,000万円の不足分を支払うあてもなく、着地点が見えず膠着状態が続いていました。

○「代償分割」とは?

この様な状況の場合、「代償分割」という方法があります。

長男が、自宅をもらう代わりに、次男に長男の財産を渡すという方法です。

実際に、次のような会話をしました。

小川 : 「弟さんの希望は、何でしょうか? 2分の1の財産をもらう事ですか? 自宅の2分の1の持分をもらって、希望はかなえられますか?」

次男 : 「年収が下がって、かなり家族に負担をかけているのを少しでも家族を楽にさせたい。長男家族が母親の面倒をずっと見てくれていたので、事を荒立てたくもない」。

小川 : 「それなら自宅の2分の1の持分をもらっても、自宅を売却でもしない限り、弟さんの希望はかないませんね。現預金1,000万円を分け2分の1の500万円を受け取る事も希望に逆行します。
2分の1の持分をもらい自宅を売却すると、20%の税金が引かれるので、弟さんの手元に残るのは、2,500万円の80%=2,000万円。500万円の現預金と合わせて手元に残るのは、2,500万円です。

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