【前編】日産的ソーシャル活用 - 新型SKYLINE 乗らず嫌い試乗会、その狙い
また、日産では、試乗会の模様をまとめた動画を2015年2月24日から、オフィシャルFacebookページやYouTube上で公開し、「ユーザー体験の共有化」を図っている。この動画の再生回数は、3月25日時点で、10万3650回に達している。
乗らず嫌い試乗会は、予定調和型のマーケティング施策ではない。試乗を通じてアンチユーザーがどう反応するかは、不明であった。
言い換えれば、試乗会を経ても、新型スカイラインに対する参加者の意識(ネガティブ・マインド)が変化せず、「やはり新型はダメ」と評価されてしまう可能性もあったわけだ。仮にそうなったとすれば、「ネガティブ・コメントの正当性を増す」という負の効果しか得られず、最終的に「スカイライン」という日産にとっての重要なブランドに深手を負わせるリスクもあった。
「ですから、企画を立てた私たちも内心はドキドキでした」と、日産自動車 マーケティング本部・販売促進部の冨井 祐樹氏は笑みを浮かべる。冨井氏は、日産におけるソーシャルメディア・マーケティングの担当者で、いわゆる「ソーシャル・チーム」の一員として、今回の試乗会を主導してきた。
「新型スカイラインの性能・仕上がりについては、開発サイドが絶対的な自信を持っていました。