くらし情報『"紙と鉛筆"が支える21世紀のアニメコンテンツ、その行方は - ACTF「ペーパーレス作画の現状と未来予測」』

"紙と鉛筆"が支える21世紀のアニメコンテンツ、その行方は - ACTF「ペーパーレス作画の現状と未来予測」

現状、業界でソフトが長く使われているトップメーカーと言えるであろうセルシスは、「RETAS STUDIO」でカバーしていたアニメーション制作機能を、描画ソフト「CLIPSTUDIOPAINT」へ搭載すると発表。海外メーカーからは、「TVPaint」、「ToonBoom」といったアニメ用の制作ツール、中割(動画マンが描く動きの部分の絵)を自動生成する仕様で注目されている「CACANi」と、さまざまな企業が自社のソフトの利便性を熱弁した。

○アニメ業界のよりよい未来のために

デジタル化に対しては、先述の「線画の味」のみならず、従来の作業フローの変化による現場の混乱や、そもそもデジタルへ移行するためのコストや教育の問題など、まだ解決すべき問題は山積している状況にある。しかし、業界外にも聞こえてくるアニメ業界の著しく低い平均賃金や長時間労働といった問題も、デジタル化によって緩和できる部分はあるように感じられる。実際、フリーランスの原画マンの一部は在宅作業しているが、原画を制作進行スタッフが回収できる範囲(つまり多くが都内近郊)に居を構えていることが基本だ。これがデジタル化されれば、作業場所を限定しない在宅ワークとしてのアニメ制作業務も広がりを見せ、より広い範囲での分業が可能になると想像する。

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