"紙と鉛筆"が支える21世紀のアニメコンテンツ、その行方は - ACTF「ペーパーレス作画の現状と未来予測」
を導入しているという。13インチの小型機を選んだ理由は、原画にすべての構図を収めてきたアニメーターにはこのサイズが適していて、また反応速度や視差の少なさも利点であると言及。それに加え、ソフト(CLIP STUDIO PAINT PRO、RETAS STUDIO)をそろえて、入力に便利なゲーミングパッドなどをつけても、1名あたりの導入コストは20万足らずと明確な額を出して語り、他社のアニメーターたちにもっとデジタル作画に取り組んでほしいという意気込みが見て取れた。
○"業界標準"の模索、協業への課題
日本のアニメ業界におけるデジタル化(特に作画の部分)は発展途上にあり、業界標準の環境はまだまだ模索中といった段階だ。それを示すように、まず3者の講演内容を比較しただけでも、作画段階の使用ソフトにはばらつきがある。グラフィックデザインの領域でも、PhotoshopやIllustratorのバージョンを発注元と合わせることはあるが、アニメーションの現場ではよりシビアな協調が求められていることは想像に難くない。
こうした状況に切り込むべく、講演のあとは海外メーカーも含めソフトベンダーが会場を訪れ、業界関係者を前にプレゼンテーションを実施した。