兼業まんがクリエイター・カレー沢薫の日常と退廃 (8) 漫画家の夫をめぐる「傾向」と「受難」
普通に働いている人間と結婚しただけで「男を見る目がある!」などと言われ、「カレー沢さんは夜寝て朝起きているから偉い」と斜め下の角度から褒められることを考えると、やはり作家業界というのは特殊な世界である。もしくは私にそういうところ以外褒める部分がないのだろう。
○カレー沢家の分業体制
現在、結婚生活5年目。昼間はお互い会社で、夜は私が仕事部屋にこもりっきりとなる。一緒にいる時間は10分にも満たないため、端から見れば家庭内別居と思われてもおかしくない。
家事分担に関しては、最初は半々ぐらいだったと思うが、今では夫の方が圧倒的にやっている、特に掃除はほぼ夫がやっており、彼が掃除を放棄したら、我が家は瞬時に異臭を放ち、今ごろ行政の訪問を受けているところである。しかし、当然夫も暇ではない、正直いつ彼がブチ切れるのではと冷や冷やしているし、一緒にいると怒られる(怒られる覚えは5億個ぐらいある)気がするので、時間があろうがなかろうが、3分以上は一緒にいないように心掛けているぐらいだ。しかし今のところ夫に怒られたことと言えば「トイレを綺麗に使え」「たまには仕事部屋の換気をしろ」ぐらいである。
"ぐらいである"、と言っても、このふたつが十分酷い。