コピーライターに聞いたコミュニケーション術(尾形真理子さん) (2) マイナスな状況を改善できる能力こそが、コミュニケーション能力
○相手の行動を、ポジティブにひっくり返す
――自分の理想の反応とは違う相手の真意を知ることができたら、コミュニケーションとしても強いですね
コピーは、基本的には相手がいる言葉ですが、受けとる相手の反応を100%予測できるものではありません。「あのへんにボールを蹴りたいな」では届かない、もしくは無視されてしまいます。「あの走っている選手の3歩先の左足にアシストしたいな」というくらいの精度を求めてはじめてキャッチしてもらえます。それでもわたしにできるのはアシストまで。そのあとに蹴るのは受け手なんですよね。「なんで拾ってくれないんだ!」って相手に不満をもっても意味がないんです。
――なんで蹴ってくれないんだ! とか……
そこに怒っていたら続けられないから、自分のできることは精一杯やる。根性ではなく、自分が受け取れる限りのポジティブな解釈をすることかもしれないです。
それはクライアントやスタッフに対しても同じで、「あの人が決めてくれない」「あの人は遅い」「あの人はどうだ」という不満を、どこまであきらめずに、ポジティブにひっくり返していけるか。どうやっても変わらないところもあるんですけどね。