父・阿部寛、息子・北村匠海で、重松清の名作『とんび』初映画化! 映像化は3度目
○瀬々敬久監督 コメント
小説『とんび』は今まで二度テレビドラマ化されているだけあって物語の強さを感じます。日本の伝統的な、それこそ国定忠治から、菊池寛や山本周五郎の世界につながるような人情噺で、生き生きとした人々の暮らしがそこに描かれています。特に、原作者の重松清さんの自伝的な部分が、息子のアキラに投影されていて、僕はちょうど重松さんやアキラと同世代に当たるのでその時代感覚に親しいものを覚えました。高度経済成長期に小学校で、30歳になる前に昭和が終わり、やがてバブル崩壊。あの生き生きと活気があり、隣近所の人たちは、皆知り合いだった時代を知っている世代。一も二もなく引き受けました。映画では令和の時代まで描いています。そこはオリジナルの部分です。
あの時代とは何だったのか。そしてあの時代にあった親と子の関係、それは今でも共通するものだろうし、人と人が一緒に生きること、その素晴らしさ。私たちはどこから来て、どこに行くのか。そこを探ってみたいと思いました。
活気あふれる躍動感ある豪華な俳優陣が集まってくれました。どのシーンも熱く、それでいて情感たっぷりで、ものすごいシーンの連続になっています。