ロケットから脱出せよ! - 「ドラゴンV2」宇宙船のちょっと変わった初飛行 (1) 宇宙飛行士の命を救う「打ち上げ中断システム」
最大7人の宇宙飛行士を乗せ、国際宇宙ステーション(ISS)との往復が可能なように造られており、またいずれは火星への飛行や、さらには火星の地表への着陸も可能になるという。
スペースX社はすでに、同じドラゴンという名前を持つ無人補給船を開発しており、これまでに8回、水や食料、実験機器などの補給物資をISSに送り届けている。米航空宇宙局(NASA)では、ISSへの物資の輸送を民間の会社に担わせる取り組みを続けており、ドラゴン補給船はそうした流れの中で開発され、物資の補給もNASAとの間で結ばれた商業契約に基づいて行われている。つまるところスペースX社は「宇宙の宅配会社」のような役目を担っている。
NASAではまた、物資だけではなく、宇宙飛行士の輸送も民間企業に担わせる取り組みも進めており、これまでに数社に開発資金を援助して、提案や設計、開発などを競わせ、その中から米航空宇宙大手のボーイング社の宇宙船「CST-100」と、そしてスペースX社のドラゴンV2が選ばれた。両社はさらに多くの開発資金をNASAから受け取り、現在も開発に取り組んでいる。順調に進めば、CST-100は2017年中に無人飛行と有人飛行を、一方のドラゴンV2は、2016年12月に無人飛行を、そして2017年に有人飛行を実施する予定だ。