くらし情報『ロケットから脱出せよ! - 「ドラゴンV2」宇宙船のちょっと変わった初飛行 (1) 宇宙飛行士の命を救う「打ち上げ中断システム」』

ロケットから脱出せよ! - 「ドラゴンV2」宇宙船のちょっと変わった初飛行 (1) 宇宙飛行士の命を救う「打ち上げ中断システム」

や「エスケイプ・タワー」とも呼ばれている。その内部には固体のロケット燃料が充填されており、万が一の際には自動、もしくは手動で即座に点火され、打ち上げロケットから宇宙船を急速に引き剥がす。そして宇宙船は、そのまま通常の帰還と同じようにパラシュートを開いて地上や海上に着地する。ミッションは失敗だが、少なくとも宇宙飛行士の命は救うことができる。

打ち上げが成功し、脱出システムが不要になれば、そのまま積んでいても単なる重荷でしかないため、投棄される。映画『アポロ13』でも、トム・ハンクスさん演じるジム・ラヴェル船長がスイッチを押してアボート・タワーを分離し、「もう必要ない!」と言う場面がある。

これまで、脱出システムが試験以外で、つまり実際の脱出目的で使用されたのは、1983年9月26日のサユースT宇宙船の事故のときのみだ。このときは打ち上げ準備中の事故でロケットから火災が発生し、爆発したものの、そのわずか2秒前に脱出システムが起動、2人の宇宙飛行士を乗せたサユースTは爆発から辛くも逃れることができ、宇宙飛行士の命を救った。
ただ、脱出システムは万能というわけではなく、あくまでも脱出できる可能性を高めることしかできない。

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