日本のものづくり復権のキーとは? Kiiが仕掛ける日本発のIoT戦略
と荒井氏は、シリコンバレーにおけるIoTの熱狂について話す。
この熱狂の背景にあるのは、センサー技術やデータ解析手法の発展だ。モノや考え方自体は以前からあったものだが、より小さく精密、精緻かつ安価になったことで、モノが生み出す可能性が爆発的に広がった。さらに、オバマ政権下での医療保険制度改革や、医療分野での民間財団の取り組みの進展が、ヘルスケア分野でのIoTデバイスの活用に拍車をかけているという。
「IoTブームの特徴は、かつてのように1社が独占的にソリューションを作るのではなく、さまざま分野に強みをもつ企業が集まり、全員参加型で作り上げている点です。まったく経験のない人たちがアイデアを出しクラウドファウンディングを使って投資を募るケースにおいては、誰もが参加できる状況です。かつて我々の業界でIoTと言えばInteroperability Testing(機器の相互運用性テスト)のことでしたが、今ではそう言って通じる人はいませんね(笑)」(荒井氏)
そう語る荒井氏は、1995年に設立された米インテリシンクの創業メンバーとして、モバイル端末向けのデータ同期サービスを黎明期から支え、同社のプロダクトマーケテンィグ担当副社長として日本の代表も務めた。