日本のものづくり復権のキーとは? Kiiが仕掛ける日本発のIoT戦略
のちにインテリシンクはノキアに買収されたが、2007年にノキアから事業バイアウトする形でKiiの前身となるシンクロアを創業。2010年に米国企業を買収したのを機にKiiと名称変更して、モバイルアプリやIoT向けのプラットフォームのグローバル展開を進めた。モノがインターネットにつながる時代の到来は当時から予期しており、そのビジョンは今、急速に具体化しつつあると語る。
「Webブラウザを中心にしたインターネットのブームがはじけるまでおよそ3年。その3年の間に技術の進化があり、マネタイズの仕組み等のさまざまな課題を乗り越え、今につながるエコシステム(生態系)が形づくられました。同じように考えると、現在のIoTブームが落ち着いて、将来が見えてくるのは約1年半後。2016年の暮れからは、新しいエコシステムが具体的に動き始めるでしょう」(荒井氏)
○求められる「すり合わせ」と「作りこみ」
そのうえで荒井氏は、IoTが日本のものづくり復権のカギになると指摘する。日本のものづくりの強みは、すり合わせと作り込みとだと言われていたが、現在では、それらが通用する製品分野ほとんどなくなったと言われるようになって久しい。