日本のものづくり復権のキーとは? Kiiが仕掛ける日本発のIoT戦略
また、近年多くの製品分野で、アイデアの商用化に長けた米国や、安い原価で大量に製品を製造する能力を持った中国に市場を奪われてしまった。だが、IoTでは、日本企業が得意とする、すり合わせや作り込みがまだまだ生かせるのだという。
「IoTデバイスを実際に試してみるとわかります。米国でこれまでに発表されたものの中には、完成度が低すぎるものが多くあります。たとえば、セットアップに苦労するWebカメラやLED電球。苦労して使えるようにしても、身につけているだけで痛くなるウェアラブルデバイス。数週間使ってみても、なぜそれを身につける必要があるのかわからないヘルスケアデバイス。きちんとものを考え、国や地域ごとに何を出せばいいのかを調べ、製品を世界に展開してきた日本企業の経験は、IoT分野で必ず生きてきます。
むしろ、今がチャンスです」(荒井氏)
荒井氏が"最高のコンビネーション"として挙げるのが、国を超えて企業が連携していくソリューションだ。たとえば、ビジネスモデルはそれを得意とする米国企業にまかせ、同じく製造はそれを得意とする中国企業にまかせる。日本企業は、製品を最後まで"作り切る"ことや顧客サポートなどのきめ細かいサービスやノウハウの提供に力を注ぐ。