Photoshopの父 トーマス・ノール氏が"かすみ"を補正する新機能を語る-今も進化を続ける写真補正への情熱
また、「コンテンツに応じた塗り」以外にここ5年間で大きく進化した部分として、Camera Raw 9.0の新機能である「写真を結合」機能(パノラマ、HDR)と「ブレの軽減」を挙げた。特に「写真を結合」では、RAWファイルを合成した後も、RAWファイルのままで保持している点を強調した。
こうした機能のなかで特に開発に苦労した部分を尋ねたところ、「写真を結合」に関しては「RAWイメージにおけるパノラマ統合のワークフローでは、まず補正をしたあとで写真を合成すると考えるのが一般的でしたが、私としては先に合成を行ったのちに補正したいという考えがありました」とし、「そのためには、パノラマやHDR、透明度をサポートした新しいバージョンのDNGファイルフォーマットを作り出す必要があるうえに、Camera Rawの加工処理のアップデートも必要であり、さらにRAWデータを合成する必要もありました。その結果、最終的なリリースまでに長い期間が必要でした」と、開発における苦労を語ってくれた。○次期搭載予定の新機能を解説
Photoshop 1.0の登場当時からこの25年間で、コンピューター性能も飛躍的に向上し、デジタルカメラも年々高画質化が進むなど、ユーザーをとりまく環境は年々変わってきている。