事例で学ぶAndroid活用術 (11) スマートフォンを活用したSAP承認フローで業務効率化を実現
2006年6月7日、金融商品取引法成立に伴い新たな内部統制のルールとして施行された「J-SOX(日本版SOX法)」は、2008年4月1日からすべての上場企業に適用された。企業側では、多大なコストをかけてIT統制の仕組みを整えたものの、今度はその運用のために費やす多大な労力が業務の妨げとなっている。
○J-SOX以降の承認業務負荷が課題
黒田電気では、J-SOX法以降に必要となった詳細な承認フローが業務負担になっていた。第一管理本部 システム部の安田晋也氏は、こう経緯を語る。
「当社は商社として、お客様のニーズを探してそれに見合ったものを提供していくのが基本的なスタンスです。企業と企業の間に入って両者の取引がうまく成立するためのサービスをグローバル規模で提供しています。例えば素材のみを売る素材メーカーと、その素材を加工した製品が欲しい部品メーカーがある場合、一時加工する業者を探して素材を加工業者へ持っていき、出来上がった加工製品を要望されたタイミングで部品メーカーへ納品します。在庫を持ちたくない素材メーカーと、欲しいタイミングで納品を希望する部品メーカーの間に立ち、代理で素材を発注し納品された製品の在庫を一時保管するような業務も多く発生します」