2015年5月25日 11:21
愛知県名古屋市で開催! 「いつだって猫展」で江戸時代の猫達に会ってきた
「花埜嵯峨猫魔稿」という演目を取材した役者絵。歌川国貞の作品です。「花埜嵯峨猫魔稿」とは、鍋島の化け猫騒動を元にした芝居のこと。
有名な三大化け猫騒動をご存知でしょうか。鍋島の猫騒動、有馬の猫騒動、そして岡崎の猫騒動の3つと言われています。中でも鍋島の猫騒動は最も有名な猫怪談の一つとして知られています。簡単に概要をご説明したいと思います。
○鍋島の猫騒動の概要
17世紀の佐賀藩の2代藩主、鍋島光茂の時代のことです。
龍造寺家に生まれた盲目の子、又一郎が殺害されてしまうことが事の発端となります。この又一郎は、母親の政と、黒猫の「こま」と一緒に暮らしていました。又一郎は非常に碁が強かったため、藩主である鍋島光茂に碁の相手として呼び出されます。ところが、それきり、又一郎は帰ってきませんでした。
心配した母親の政は、息子の行方を調べますが、ようとして知れません。日々息子が帰ってこないこと、愛猫のこまに愚痴をこぼします。そんなある晩のこと。雨が降るなか、こまが又一郎の生首をくわえて帰ってきます。
藩主である鍋島光茂に呼び出されたあの日、碁のことで口論となり、又一郎は殺されていたのでした。
大切な息子を殺され、御家再興の望みも絶たれ、絶望した政は、敵を討つようこまに言い残し、こまに自らの血を舐めさせ、自害します。