5月22日、TPP合意に不可欠とされるTPA(貿易促進権限)法案が米国議会の上院本会議で可決され、下院に送られることとなりました。これに伴ない、TPP合意へ向けた交渉が進むことが期待されています。今回は、TPPとTPAについて調べてみました。
○TPP(環太平洋経済連携協定)
TPPとは、太平洋を取り巻く国々による経済連携をめざす協定で、現在は日米を含む12カ国が合意に向けて交渉に参加しています。正式名称は「環太平洋経済連携協定(Trans-Pacific Strategic Economic Partnership Agreement)」で、略してTPPと呼ばれています。
TPPは、アジア太平洋地域という広域・多国間におけるEPA(経済連携協定)に位置付けられると考えられます。EPAとは、複数の国・地域間で、貿易に留まらず、投資やヒト・サービスの移動なども含めた経済の幅広い分野で連携強化を目指す協定です。関税引き下げなど貿易自由化を目指すFTA(自由貿易協定)よりも広い分野を対象としていることが特徴です。
TPPでは、関税撤廃などのモノやサービスのやり取りの自由化に加え、国境を越えた金融サービスのルール作り、海外企業による公共事業への入札など、21分野で新たな自由貿易の枠組みを作り、経済成長を底上げするべく、交渉が進んでいます。