くらし情報『合意に向けた動きをみせるTPP』

合意に向けた動きをみせるTPP

しかしながら、関税撤廃の手法や知的財産の保護など、一部の分野では国・地域間での隔たりがみられ、交渉が難航しています。

TPPに日本が参加した場合、関税撤廃・引き下げにより日本の輸出産業の競争力が強まることや、手続の簡素化などにより日本企業の海外進出が活発になるといった経済への好影響が見込まれます。こうした貿易などの取引拡大を通じて、雇用や設備投資の拡大など、国内景気の押し上げにつながることも期待されます。

一方で、域内で生産された安価な輸入品が日本に流入することも想定されます。特に、農業などの分野では国内生産の減少につながり、日本経済にマイナスの影響をもたらすことが懸念されています。ただし、輸入品により食料品などの価格が押し下げられることが、家計への恩恵となる面も考えられます。

TPPの交渉に参加している12カ国のGDPは世界の約4割を占めており、EU(欧州連合)を上回る規模であることから、実現すればTPPは世界から注目される経済圏になるとみられます。ステップアップ
2013年の内閣府の試算では、TPPで関税が即時に全て撤廃された場合、日本の実質GDPを3.2兆円増加させる経済効果が見込まれています。

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