デザイン重視のプロダクトとデジタル印刷を推進するHP - 「Innovation Day - Asia Pacific & Japan」in シンガポール
ペットボトルの1本1本に、すべて異なるラベルを貼り付けて出荷するというもの。日本では別のキャンペーンを展開しているのだが、仮に、コンビニで売られているコカ・コーラのペットボトルを想像してほしい。日本全国、同じラベルのコカ・コーラは1本たりとも存在しないということなのだ。これはデジタル印刷機でなければ、現実問題として不可能である。そのほか、ワインのラベルや缶ビールのラベル、子どもたちが創作したストーリーを1冊ずつの「本」に製本するといった事例が紹介された。
Indigoシリーズのほかにも、HP Scitex、HP Latexといったシリーズがあり、それぞれインクや得意分野が違う。例えば、水をベースにしたインクだと、環境負荷が低くニオイを発しないというメリットがある。そこで壁紙に応用し、日本のとあるホテルの場合、フロアごとや部屋ごとに壁紙を変えて異なるイメージを演出している事例があるそうだ。
今のところ、デジタル印刷の規模は業界全体で5%~10%くらいとのことだが、将来的にはもっと伸びるに違いない。HPでは、「規模は5%~10%でも価値は20%~25%」としており、先述したコカ・コーラとのコラボレーションによって、おもしろい可能性が大きく広がったという。