2015年6月24日 10:00
セキュリティのトビラ (20) 標的型攻撃メール訓練のトビラ(2)
よって、「開いた/開かない」「クリックした/クリックしなかった」ということにのみにフォーカスして、一喜一憂するようなものではないと思います。そうではなく、事が起こったときにきちんとした行動ができるかどうかまでの温度感をはかる。
訓練を行った結果、「全体の何人が開いたか」「クリックした/しなかった」に加えて、「全体の何人が正しい行動ができたのか」をはかり、「慣れを身につける」という訓練を行う必要があるのではないでしょうか。
少なくとも、訓練は騙されてしまった方を責めるために行うものではありません。セキュリティやそれを実現するための技術や知見は人を守り、安心を与えるために存在するもののはずです。決して、人を傷つけるものではないと思います。
また、そのような行い方をすることによって、本当に必要なときに報告が上がってこないといった文化が出来上がり、それが被害の拡大を招く結果が危惧されます。
攻撃を行う側は金銭や思想などをモチベーションに連携したり、組織的に攻撃を行ってきています。
基本的に、攻撃を行う側の方が有利であり、私たちは防戦一方を強いられます。
負けることはあっても勝つことはありません。