くらし情報『味の素研究者が生んだ『九州力作野菜』プロジェクト -事業にイノベーションをもたらす、技術者ならではの視点』

2015年6月25日 11:30

味の素研究者が生んだ『九州力作野菜』プロジェクト -事業にイノベーションをもたらす、技術者ならではの視点

しかしある一軒の農家が行った試みをヒントに、重油を使わずに乾燥させる手法を発見する。データ分析により、その手法で乾燥させたバイオマスを肥料にすると、甘味やうま味成分を多く含む作物をつくれることも証明できた。「このデータがあれば作物の売り先を探しやすくなる」と、農家や卸売業に大好評のサービスになったという。

「乾燥方法を見つけるところで終わりではなく、その後のことまで考えられていたんですね。高橋さんが自分の領域のことだけしかしていなかったら、イノベーションは起こらなかったかもしれませんね」(平田氏)

結果的にこの肥料で育った作物は、イオン九州で『九州力作野菜』『九州力作果物』ブランドとして販売されるようになり、また肥料そのものもホームセンターで『九州力作堆肥』として販売されている。さらにこのバイオマスが、下水処理で発生する汚泥肥料と混合してより質の高い肥料を生産できることがわかり、全国の下水道を管轄する国交省からも注目されるようになった。

「自分だけの力でできたわけではありません。味の素のみならず、畜産家、農家、農作物の流通・小 売業者、行政、それぞれの関係者がこれまでに蓄積してきた強みをつなげられたのでイノベーションが起こりました。

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