Appleは「プライバシー」をGoogleとの差別化要因に - 松村太郎のApple先読み・深読み
例えば、1人の人の行動パターンと位置情報の相関をとる研究では、およそ6週間でユーザーの「日常」を把握できるとされている。より細かいアプリ利用や連絡する相手などを含めることで、iPhoneのデバイスの中でのユーザー行動の学習も、2カ月程度で十分に有効なパターンを見出すようになるのではないか、と推測できる。
●iAdの取り扱いは?
○Tim Cookも声明と、Safariの新機能
この原稿を準備している際、Appleはウェブサイトに「あなたのプライバシーに関するAppleの取り組みについて。Tim Cookからのメッセージ」という声明を発表した。
Appleのプライバシーに関するトップページに掲載されているこの文書には、これまで述べてきたAppleのプライバシーに関する考え方がまとめられている。その中で、Appleは優れた製品を売ることがビジネスであり、iPhoneやiCloudに蓄積された個人情報を広告主に売ること、すなわちユーザー情報の「換金」はしない、と述べている。これはGoogleなどの、ユーザーのプロフィールを作って広告を最適化する仕組みに対する批判とも受け取れる。
その裏で、iOS 9のSafariに盛り込まれるとみられる新機能に、ウェブ広告業界や、ウェブ広告によって収益を上げているメディア等に小さなパニックが起き始めた。